大晦日の晩

ペルーのピウラという地味な街で過ごす。イベントは無く各家庭の玄関前で人形を燃やし爆竹を鳴らす程度。日本のように0時ジャストをさかえに「あけましておめでとう」と挨拶することや、車がクラクションを鳴らすなどというキザな行為は一切見受けられなかった。これは腕時計を付けているペルー人が少ないからだと思う。現に私は0時前後10人程の人に時間を聞かれた。

ペルー入国

長袖が必要だった街エクアドルのクエンカを出発した国境行きバスは、どんどん山を降りていき2時間もすると両脇に一面バナナ畑が広がる道を走っていた。吐く息が白くなる程の寒さから、一転ポカポカ陽気。赤道直下だが険しい山々が連なるエクアドルらしい移り変わりだった。


国境では全身汗だくになりながらバックパックを辛そうに背負う私に、両替商が取り囲みそれぞれが計算機を差し出してくる。彼らの中には偽札を持っている者もおり、高レートで取り引きするとまず偽札を掴まされる。

またペルー側のイミグレまで5キロもあり歩くのは辛い。そこで乗合いタクシーやトウクトウクが待ち構えているわけだが、トウクトウクに乗り「さあ出発」というところで背後から何者かにバックパックをもぎ取られそうになった。


私はこの国境でペルーは観光立国だと再認識したのと同時に、インドの辛さを思い出した。エクアドル〜ペルー国境は私の知る限り、最も辛い国境超えだったと思う。

キト到着

ここまでコロニアル式の街は何度となく見てきたが、この街はどこか重々しい雰囲気がする。人と車で騒々しく、また建物が古いからだ。


この街は趣深い。同じ古い街でも、ミニチュアランドのようだったアンティグアより規模、人間臭さで圧倒的にキトが優る。まあ、あちらは田舎の洒落た観光地で、こちらは一国の首都という大きな違いがあるわけだが。。。


難点は、寒い、夕方毎日小雨が降る、夜歩きができないという3点。



更新していない分はいつかします。

移動するぞ

今日までカリにて沈没。旅中、一度は中だるみが来るもんだ。


ようやく重い腰を上げてエクアドルに向かうことにした。


国境までは危険地帯。あとは運に任せる。


更新していない分はまとめてキトで。

テレビに映る

コロンビアサッカーの最終戦であり、優勝決定戦がカリで行われた。優勝の様子を一目見ようと、宿の日本人とダフ屋でチケットを買いスタジアムまで足を運んだ。応援するチームはカリのチーム「デポルティーボ・カリ」で、チームカラーは緑。


スタジアムに入るにはボディチェックを3度も受ける。そのためスタジアム入りが日本のようにスムーズにはいかず、周りには恐ろしい数の緑の行列ができていた。


行列に並んでいると、一台のテレビカメラが近づいてきた。私たちは拳を振り上げたり親指を突き出す「グッド」のジェスチャーをしながら「カ〜リ!カ〜リ!カ〜リ!」と叫んだ。


すると「外国人まで応援に来ているぞ。これは報道の恰好のネタになる」ということで、すかさずインタビュアがきてインタビューを受けることになった。


「カリは勝てますか?」

(拳を上下させながら)「当然だろ!」

「どういうスコアで勝てると思いますか?」

(手で5を突きだしながら)「5ー0だ!」


私たちは勢いよく答えた。


日本でもこの手のインタビューはよくあることだ。「は〜し〜んタイガ〜ス」とかなんとか言って、変な外国人が騒いでいるのをよくテレビで見かける。きっと私たちもそんな感じで報道されるのだろうと思っていた。


数時間後のニュースで、私たちのインタビューはコロンビア全土に放送されたという。内容はまあ予想通り、日本のそれと同じだったという。


しかし「中国人」と紹介されたそうな。。。国籍を聞かれなかったから仕方ない。



試合のほうはPK戦までもつれた挙げ句負けてしまい、対戦相手が優勝した。観客のノリは「いかにも南米」という過激で熱いノリであった。

日本との共通性

中南米カトリックの国だが、パキスタン人やインド人のような信仰心を感じない。
ボゴタの観光スポットである丘の上の教会に行った時、それを強く感じた。


ロープウェイに乗り丘の上まで行くと、教会のすぐ外にある見晴らしの良い展望台はコロンビア人でごった返していた。皆、楽しそうに記念撮影をしている。


教会を覗くと超満員で牧師が何やら説教を垂れていた。しかしコロンビア人は、面倒くさそうな者、興味本位で覗いている者、途中で外に出る者など様々だった。


中南米の都市はだいたい丘の上に教会があるものだが、これは我々が高野山比叡山に行く感覚に似ているのではないだろうか。


もちろん街中の教会で、真剣な顔でお祈りをする者を何人も見てきた。しかしイスラム教なら、観光気分でモスクには行かないだろう。それがどんなに見晴らしのいい場所でも。

中国人との共通性

語学オンチの私は、旅に出て一ヶ月が経とうとしているのにスペイン語の習得が全く進んでいない。覚えた単語といえば10個ぐらい。数を数えても「ウノ(1)、ドス(2)、・・・・」で止まってしまうひどい状態だ。


そんな私に対して中南米の人は容赦がない。私が「スペイン語はできません」と言っているにもかかわらず、高速スペイン語でまくしたててくる。


例えば、タクシーに乗ると運転手から陽気に「#ー@g0y0v9&」と意味のわからない質問が飛んでくる。私が困った顔をするとまた陽気に「*^fg0&*%hp」。「だから〜、俺はスペイン語できないんだよ」と念を押しても、また陽気に「h8w%$Hpu」。


そうなるとどうしようもない。私はひたすら困った顔や愛想笑いを繰り返し、相手が「わっはっはっ」と一笑に付し、適当なところで納得してくれるのを待つのみとなる。


この「語学できません」に反応してくれないところは、どこか中国人に似ている。日本人なら黙ってしまうところなのに。