ペルー入国

長袖が必要だった街エクアドルのクエンカを出発した国境行きバスは、どんどん山を降りていき2時間もすると両脇に一面バナナ畑が広がる道を走っていた。吐く息が白くなる程の寒さから、一転ポカポカ陽気。赤道直下だが険しい山々が連なるエクアドルらしい移り変わりだった。


国境では全身汗だくになりながらバックパックを辛そうに背負う私に、両替商が取り囲みそれぞれが計算機を差し出してくる。彼らの中には偽札を持っている者もおり、高レートで取り引きするとまず偽札を掴まされる。

またペルー側のイミグレまで5キロもあり歩くのは辛い。そこで乗合いタクシーやトウクトウクが待ち構えているわけだが、トウクトウクに乗り「さあ出発」というところで背後から何者かにバックパックをもぎ取られそうになった。


私はこの国境でペルーは観光立国だと再認識したのと同時に、インドの辛さを思い出した。エクアドル〜ペルー国境は私の知る限り、最も辛い国境超えだったと思う。